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会長挨拶

会長 田窪行則(国立国語研究所)picture of the president


 この度窪薗会長の後任として言語学会会長を仰せつかりました。思いがけないことで心の準備もできていなかったのですが、快く委員をお引き受けくださった皆さんの助けを借りて、言語学会の発展のために努力していきたいと存じます。
 言語学会は2013年までは会員数は順調に増え、それに伴って発表申し込み件数も増えてきていたのですが、2014年以降、会員の漸減やそれに伴う収入の減少が生じています。それらの予算減に対して、予稿集の電子化、雑誌発行の合い見積もりの実行など、さまざまな方法で支出を減らす一方、学会期間中の保育室設置、手話通訳・ノートテイカーへの補助による情報保障に努めるなど、会員サービスの充実を図ってこられた歴代会長に敬意を払いたいと思います。収入の大幅な増加は見込めない現状では、今後もできるだけ会員へのサービス低下を食い止めながら、支出を減らしていかないといけません。
 近年文系学問の軽視から文系学部の国立大学での廃止や組み換えの可能性が話題になりましたが、基本的に人文系の学会である言語学会もその影響を受けざるをえません。もとより基礎科学は発見の喜びを原動力として行うべきで、「すぐに役立つ」研究をすることなどできませんが、基礎科学としての言語学に専心していただくだけでなく、並行して言語学が実際に社会に貢献できることはなにかを意識し、それを示していくことも大切ではないかと考えます。また、現在まったく応用が考えられていない言語学の基礎分野も多くあると思いますので、言語学上の発見を発掘して応用につなげることも意識してよいのではないでしょうか。
 また、最近はコンピュータが非常に身近になり、言語学の研究に多く使われるようになりました。私が学生のころは、言語研究のためのプログラミング言語の学習、統計学なども、ほんの一部の研究者が理系の研究者と共同で使っていたにすぎませんでした。現在は、さまざまな機会にそのような技術を身に着けている研究者が増えてきています。いわゆる言語ドキュメンテーションのためのさまざまなアプリケーションも開発されてきています。しかし、これらの技術や統計数理を開講している言語学関係の学科はほんの一握りでしょう。また、fMRIや最新の計測技術を使った高次脳機能の研究なども非常に進んで来ているようです。またAI技術は我々が当初予測していたよりもはるかに早く進んでおり、言語研究にも応用されてきています。言語学会でも学会のシンポジウム、チュートリアルや夏期講座などで次のようなテーマで開講できればと思います。

(1) 言語研究のための統計やデジタル技術の研修
(2) 言語研究にかかわる最新の脳科学の紹介
(3) 最新の数理科学の言語研究に対するインパクト

 言語系のみならず、人文系の他分野、ひいては理系の他分野との協力を進めて言語学の基礎科学としての地位を盤石なものにしていく必要があると思います。皆様方のご指導とご協力をお願いいたします。


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