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Optional Plural Marking in Mongolian

吉原 麻由(シカゴ大学大学院)

ハルハ・モンゴル語の可算名詞句は日本語と同様、無標形で単数と複数の読みを両方持つ。しかし、生産的な複数形接尾辞も有する。数の区別は義務的ではなく、母語話者(e.g. Dashtseden 1980)の記述によると「複数であることを強調したい場合に使う」とある。では複数形の存在は冗長なのだろうか。また、無標形における複数と意味的な違いはないのだろうか。本発表では、集合論的考察の後、単数形と複数形に真理条件的な意味の違いを与えることは出来ないと判断し、名詞の意味は述語(複数形は複数という前提が加わる)だと定義する。名詞は意味論的環境に従い、様々なタイプ・シフトを経て必要な読みを派生する(Cf. Krifka 2003)。意味論では説明し尽くされない単複の使い分けは語用論で説明を与える。量の公準はもちろん、量の公準の運用に当たって名詞の指示対象への近しさが重要な要因となっていることを指摘する。

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