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チノ語の介音について
―ロロ=ビルマ諸語との比較研究から―

林 範彦(京都大大学院)

本発表ではチノ語が共時的に2つの介音(音節初頭子音連続の第2要素)として -r-, -j- をもつことを記述し,他のロロ=ビルマ諸語と比較することで介音の発展を考察した.ロロ=ビルマ諸語の多くは介音として -j- しかもたないが,介音を2つもつチノ語・ビス語・ビルマ文語などと比較すると,ロロ=ビルマ祖形には *-l-, *-r-, *-j- の3つが存在したと考えられる.そのうち *-l- はチノ語では -r- に,後二者は -j- となったが,他の同系諸語ではすべて -j- に合流したことを論じた.先行研究ではこの変化を頭子音の環境によって分けていたが,本発表では介音は基本的に頭子音に関わらず独自に発展し,*-l- > *-r- > -j- の推移を辿ると考える.加えて,チノ語における介音脱落ならびに介音と頭子音との融合(破擦化)の現象を見,チノ語の音節単位における変化の順序を提示した.

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