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ケレウェ語のテンス・アスペクト体系について

小森 淳子(大阪外国語大非常勤)

ケレウェ語はタンザニアの北西部,ビクトリア湖南部のウケレウェ島で語されているバントゥ系言語の一つである.本発表ではケレウェ語のテンス・アスペクトの形式について報告し,その中でも世代によって違いが見られた形式について焦点を当て,その変化の要因について,体系内の均衡という点と,言語干渉という点から考察した.

ケレウェ語のテンス・アスペクト形式の中で,現在,変化しつつあると考えられるのは<遠過去・習慣>の形式(たとえば「私は昔,習慣的にウガリを食べていた」というような表現)である.本来のケレウェ語は,動詞述部の部分は動詞と接辞からなる一語の形式であるが,新しい形は「遠過去」を表示する部分と「習慣」を表示する部分の二つに分かれて,分析的な表示形式になっている.この変化の要因として,他の遠過去のアスペクト表示においては分析的な形式になっていることと,共存するジタ語が同じく分析的な表示形式を持っていることが考えられる.

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