日本語/English
日本言語学会について
入会・各種手続き等
学会誌『言語研究』
研究大会について
学会の諸活動
その他関連情報

アラビア語エジプト方言の bitāʿ を通して見る所有傾斜

Soliman, Alaa El-Din El-Hassan (東京大大学院)
榮谷 温子(国立国会図書館)

本発表では,アラビア語エジプト方言の所有表現の形式 bitāʿ を,所有する側と所有される側との密接性に着目して論じ,角田 1991 の所有傾斜との関係を明らかにした.

親族等,所有者に近く密接な関係のあるものには bitāʿ を挟んだ表現は使いにくく,所有者を示す名詞や代名詞を直接後置する形の表現が好まれる.これは Haiman 1980, 1985 の iconity の仮説とも合致する現象である.

また名詞・代名詞を直接後置する表現が可能な場合に,あえて bitāʿ を用いると,所有権の強調などのニュアンスが出る.所有者・被所有者間の関係が密接でない場合,両者に所有関係のあることを示すために用いられるのが bitāʿ である.そのため bitāʿ は,対象間の関係をことさら明示する機能を持ち合わせていると言える.

プリンタ用画面

このページの先頭へ