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バンティック語におけるテンス・アスペクトのシステム

内海 敦子(東京大大学院)

本発表はオーストロネシア諸諸に属するバンティック語のテンス・アスペクトシステムについてである.第一に,バンティック語は形態的に二つのテンスを待つ.ここでは暫定的にそれぞれを非過去形と過去形と呼ぶ.原則的に非過去形は未来と現在の出来事,過去形は過去の出来事を表すが,動詞によって,それぞれの形態によって表される動作の段階が異なる.それによって,動詞を三つに区分できる.スラウェシの言語において,この種の形態の対立は realis と irrealis の対立と言われてきており,動詞のグループによっては,そのように見なされうる事もあるが,本発表ではバンティック語には非過去形と過去形の形態の対立があると結論する.第二に単文や主節のテンスは発話時点,従属節のテンスは主節の動詞の行われる時点が tense locus となる,相対時制のシステムを待つ.第三に二つのアスペクチュアルなパーティクルが,二つしかないテンスのシステムを補う機能を担っている.

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