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Unergative Predicates and Causativization: The Case of Japanese

中村 渉(電気通信大)

非能格動詞(例:走る,歩く)を埋めこんだ自動詞使役構文は,日本語やその他の言語(フランス語,スペイン語)に於て,その被使役者に対格と与格の両方を許すことが知られている.本発表は,この格交替に「役割・指示文法」(ヴァン・ヴァーリン 1993)に基づく意味的説明を与えることを目的とする.「役割・指示文法」は,述語の意味表示として2つの層(論理構造とマクロロ-ル)を措定するが,個々の動詞(構文)をマクロロ-ルをいくつ受けとるかに基づいて分類する.ここで,上の自動詞使役構文がマクロロ-ルの数を不完全決定していると仮定すると,他動性が高い場合には,マクロロ-ルを2つ付与され,その結果,被使役者は対格でマークされ,一方,他動性が低い場合は,被使役者はノン・マクロロールとなり,そのデフォルト・マーカーである与格(シルヴァーステイン 1980) でマークされると,アドホックな規定に訴えることなく説明できる.

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