「(X は)誰も/何も/~しか P と思わない」構文の認可条件について

森 貞(福井工業高等専門学校)

「(X は)誰も/何も/~しか P と思わない」構文(従属節に NPI があり,主節が否定されている文)の認可条件をアンケート結果(学生395人,教員198人)を元に,〈《心的な clausemate 関係》の構築(の有無)〉であると規定した.これは,構文論的には,以下に示すような(心的操作による)『SOP 構文への変換』[←これを典型例とした拡張型の心的プロセスにより関係構文も認可可能となる]という形で記述される([ ]は統語論的な区切り,【 】は心的な区切りを表す).

「(X は)[誰も/何も/~しか P と]思わない]」
↓←心的操作
「(X は)+ 誰も/何も/~しか +【P と思わない】」
||             ||            ||
主語 (Subject)  目的語 (Object) 述語 (Predicate)