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Towards a Theory of Control and PRO

浦 啓之

不定詞の主語として GB 理論で仮定されている PRO は,[+anaphoric, +pronominal] という素性を持つため,束縛理論により一般的に統率されてはならないとされている。 しかしこのままでは,PRO の先行詞であるコントローラーを決定する際に全く新たな理論が必要となるため,この「PRO は統率されてはならない」という条件を破棄し,コントロール理論を束縛理論から導こうとするアプローチがある。本発表も基本的にこのアプローチに属するものであるが,理論構成の点でかなり違ったものである。
ここでの提案は次の5点である。
(1)  PRO must not be δ-marked (at S-structure).
(2)  α δ -marks β iff α either θ -governs or Case-marks β.
(3) A. An L-marked PRO must be controlled in its Control-domain.
B. A non L-marked PRO must not be controlled in its Control-domain.
(4)  β is controlled by α iff α is coindexed with β , and every member of the chain of α c-commands β.
(5)  γ is the Control-domain of β iff γ is the minimal DP or IP that includes β and every governor of β.
(1)は,PRO が [+anaphoric, +pronominal] であるとして束縛理論を精密にすることで導くことができる。 L-marking は Chomsky の Barriers にある SPEC-head Agreement による L-marking の定義を用いる。本発表では,これらの仮定と UG の他のモジュールとによって,従来のコントロール理論では説明できなかった現象(例えば,補文不定詞内を受動態にした時のコントロール関係等)を含め幅広い現象を観察し,これらの仮定の妥当性について論じる。

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