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再解析は最後の手段か?
―日本語目的語コントロール構文における再帰代名詞の処理過程―

金丸 一郎,広瀬 友紀,伊藤 たかね

再解析は「最後の手段」であると主張する仮説(Revision as Last Resort; RALR)の反証を目的とし,下記(i)のような文を用いた被験者ペース読みの文処理実験を行った。
(i) 父親が([修飾句])母親に自分のスカートを...
結果,「父親が」と「母親に」の間に長い修飾句を挿入した場合の方が,そうでない場合よりも,「スカートを」直後の読み時間が短かった。これは,前者では距離効果により「父親」ではなく「母親」が「自分」の先行詞として選好されたため,「父親のスカート」という不自然な解釈を回避できたからだと考えられる。しかし,「母親」を「自分」の先行詞と解釈するには,「洗うように言った」のような埋め込み構造の目的語コントロール動詞を想定しなければならないので,これは,当初から追求していた単節構造(例えば,「渡す」が後続)からの再解析がRALRに反して行われたことを示唆している。

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