日本語/English
日本言語学会について
入会・各種手続き等
学会誌『言語研究』
研究大会について
学会の諸活動
その他関連情報
トップ  >  学会の諸活動  >  日本言語学会学会賞

日本言語学会学会賞

日本言語学会では,学会の研究活動の一層の向上・充実を目的とし,若手会員に主眼を置いて,優れた研究を顕彰するために,論文賞大会発表賞の2つの賞を創設いたしました。優れた研究論文や研究発表がますます活発に投稿・応募されることを期待しております。
なお、直近の受賞者は以下の通りです。

  • 2020年度 論文賞 [詳細はこちら]
    • 久屋 愛実 氏 “A Corpus-based Variationist Approach to the Use of It is I and It is Me: A Real-time Observation of a Syntactic Change Nearing Completion in COHA”
  • 第162回大会(2021年春季,オンライン)の大会発表賞(2件) [詳細はこちら]
    • 野元 裕樹 氏「西オーストロネシア諸語の看過される裸態構文」
    • 山本 恭裕 氏「アイク語の結合価」


過去の受賞者については本ページ下部のリンクよりご覧ください。

○日本言語学会論文賞 (2011年度より実施)

過去2年度(4号分)の『言語研究』に掲載された「論文」の中から,特に優れた論文に対して授与されます(賞状および副賞賞金)。(毎年1件。最大2件)(「日本言語学会論文賞」規程)

2021年度の論文賞(1件)

久屋 愛実 氏
Aimi Kuya “A Corpus-based Variationist Approach to the Use of It is I and It is Me: A Real-time Observation of a Syntactic Change Nearing Completion in COHA”,『言語研究』159号, pp.7-35 (2021年3月)[本文PDF]

 本論文は、「it is 人称代名詞」構文における主格(It is I)から目的格(It is me)への通時変化をコーパス基盤変異理論(CVL)的手法を用いて実証的に論証した研究である。it’s me(縮約形で一人称)というパターンが変化をけん引しているという観察が先行研究において示されていたが、本論文では、量的な分析を行い統計的に裏付けられることを示しただけでなく、変化の背景として代名詞の種類(1人称代名詞)、構文的特徴(縮約形)、ジャンル(フィクション)とうの要因が変化において特徴的であったこと、当該変化が20世紀後半にはほぼ完了していたことを統計的な解析によって明らかにした。本論文は、先行研究を丹念に再検討しただけでなく、分野横断的な手法を用いることで新たな知見が得られる点を具体的に示している点が高く評価された。

○日本言語学会大会発表賞 (2011年秋季大会(第143回大会)より実施)

大会における優れた口頭発表・ポスター発表に対して授与されます(賞状および副賞賞金)。(毎回数件)(「日本言語学会大会発表賞」規程)

第162回大会(2021年春季,オンライン)の大会発表賞(2件)

野元 裕樹 氏
「西オーストロネシア諸語の看過される裸態構文」

 本発表では西オーストロネシア諸語の態のうち、従来は有標の動作主態の省略形と見なされてきた形態的に無標の構文を、スルーシング、交差解釈、動作主と被動者の同時抜き出しという3つの観点から、裸態構文と呼ぶべき独立した構文であると論じた上で、フィリピン型、インドネシア型それぞれの態体系を捉え直すことを提案した。これらの観点は決定的とは言えないかも知れないが、論理的で説得力のある議論が提示された。裸態構文という新しい視点から西オーストロネシア諸語の態にまつわる諸現象を見直すことにより、従来気づかれていなかった一般化につながる可能性があり、理論的な展開が期待される点からも高い評価が得られた。

山本 恭裕 氏
「アイク語の結合価」

 本発表では、パプアニューギニアのアイク語の述部の構造を記述することで、統語的振舞いから定義される動詞クラスが言語普遍的なものか否かを検証した。述部の構造など複雑な事実を簡潔かつ明瞭に説明した上、‘and’に相当する関係語が動詞として機能するなど興味深い事実を指摘し、3項動詞がきわめて少ないなど、アイク語の動詞が通言語的に期待される動詞クラスとは異なる分布を示すことを明らかにした。前提としている用語や背景の説明が少なく、分かり易い発表とは言えない点もあったが、質疑応答で聴衆の疑問に丁寧かつ誠実に回答したことは評価に値する。未調査言語の一次的資料からの類型的一般化に成功しており、高い分析力があると評価された。


コンテンツ


このページの先頭へ