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チノ語の疑問助詞について

林 範彦(日本学術振興会特別研究員[東京大学])

本発表ではチノ語(中国雲南省、チベット・ビルマ語派ロロ・ビルマ語支)の疑問助詞である、-la42, -nya42, -a44の使い分けについて論じ、それには形式的基準と発話者の態度が関係していることを示した。主たる結論は以下の通りである。

形式的基準としてはまず、真偽疑問文と疑問語疑問文の区別が有効である。基本的に真偽疑問文では-la42, 疑問語疑問文では-nya42が用いられる。しかし、疑問助詞を選択する際には、疑問助詞に先行する文が名詞述語文か、動詞述語文かという区別が重要である。-nya42は名詞述語文には後接できないため、そのときは代わりに-a44が選択される。

さらに真偽疑問文でも-nya42が用いられることがある。これは-la42のときとは異なり、発話者が特に聞き手に対する質問の姿勢が強い場合に用いられる。

[予稿集では-nya42は-ɳa42と表記している。]

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