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ツツバ語の舌唇音

内藤 真帆(京都大学大学院)

本発表ではツツバ語における舌唇音の存在を報告し、舌唇音の音変化仮説をツツバ語の事例から考察する。

ヴァヌアツ共和国のツツバ語には世界でも希少な舌唇音という音が存在する。ヴァヌアツの舌唇音には(1)*唇音>舌唇音,(2)*唇音>舌唇音>歯音という音変化があったと考えられており、さらに(3)*唇音>舌唇音>唇音という音変化が仮説として唱えられている。

現在ツツバ語では(3)と同じ舌唇音から唇音への音変化が生じており、この変化の要因には共通語や他言語の影響が考えられる。また地理的観点から先行研究を考察すると、(1)の音変化を経た7言語は離島や島の端で話されているのに対し、(2)や(3)の音変化を経たと考えられる言語の多くは島の内陸部で話されているという違いが見てとれる。

これらことから(3)の舌唇音>唇音という音変化(仮説)が、自生的なものである可能性のほか、外的要因によるものである可能性を示す。

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