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日本語における所有文 ―Multiple Agreeを介しての構造格の認可―

三上傑

日本語の所有文における2つの項 (Possessor DPとTheme DP)への格付与のメカニズムに関して、Kishimoto(2000, etc.)は、Possessor DPにはTから構造格が付与される一方で、Theme DPには存在動詞から「部分格」が付与されると分析し、その証拠として、Theme DPには「定性効果」が生じると主張する。

本発表では、格交替現象に関するいくつかの新たな事実に基づき、Kishimotoが主張する「部分格」分析は経験的に妥当でないと指摘した上で、所有文における2つの項にはTとのMultiple Agree(cf. Hiraiwa(2005))を介して構造格が付与されると提案する。そして、Kishimotoが観察した所有文における「定性効果」は、「部分格」付与から生じるものではなく、関係名詞の特性から例外的に生じるものであり、所有文では通常、「定性効果」が観察されないと主張する。

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