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'Volitionality' と 'Responsibility'
―インドネシア語における3種の受動表現 'di-' 'ter-' 'ke-an'―

湯淺 章子(甲南女子大学/神戸学院大学/大阪外国語大学非常勤)

インドネシア語には 'di-' 'ter-' 'ke-an' という接辞やマーカーで使い分けられる3種の受動表現がある.本発表ではこれら3種の受動表現の差異を‘Volitionality' と 'Responsibility' という2つの観点から簡潔に説明できることを示した.「動作主側に 'Volitionality'(以下 'V')があり,それ故その事象に対する 'Responsibility'(以下 'R')も動作主側にあって被動作主側にはどちら ('V' 'R') もない」という構造の受動表現が 'di-'(直接受け身)タイプ.「動作主側(広義的意味)には 'V' がなく(あるいはごく弱く),その事象に関する 'R' はむしろ被動作主側(広義的意味)にある」という構造の受動表現が 'ter-'(自発的受け身)タイプ.「事象を引き起こしたものにも第三者にも 'V' 'R' はないが,事象との何らかの関係ゆえに主語に立つ第三者がその事象の結果を蒙る」という構造の受動表現が 'ke-an'(第三者の受け身)タイプ.

類似した受動表現を持つ日本語の場合にも,これらの分類がある程度適応できると考えられる.

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