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動名詞と結合するゼロの受動化接辞
―新聞・雑誌記事の場合―

佐藤 豊(国際基督教大)

本発表では,日本語の動名詞が軽動詞「する」なしに,単独で動詞格を持つ項と共起すると見られる等位接続構文に焦点を当て,動名詞の動詞付与に関する3つのアプローチを検証した.『朝日新聞 DNA』のオンラインサーチにより得た用例には,達成 VN に関して受動化されたと見られる用例が見られた(「路面電車が廃止,市内から路面電車消える」).この現象は,動名詞がアスペクト素性を得たときに,動詞格付与能力を得るという分析でも,動名詞が動詞であるために動詞格付与能力を持つとする分析でも説明できない.名詞である動名詞に受動化を引き起こすゼロの動詞が結合すると考えることにより説明できると論じる.また,この受動化を引き起こすゼロの動詞は,完全な軽動詞として動名詞と結合して複合動詞を派生させると考えることにより,「紋別支店を廃止,残りの8店舗を引き継いだ」のような等位構造構文を説明することが可能だと論じた.

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