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日本語の「とりたて」と叙述、その構造条件

片岡喜代子
宮地朝子

Kuroda(1965, 1976, 1992等)は、ガ句とは異なりハ句は論理的主部として叙述を成し、両文形式が異なる認知的行為(判断)に対応すると主張する。本研究では、認知的行為とは独立に一般的な構文として叙述の存在を主張し、文脈で同定した個体に対し、述部がある特質・属性を付与する構文とする。

叙述の主部を成すのは、ハの他モ、サエ、コソ、シカ等いわゆるとりたて辞で、それらの句が否定の作用域に入れないという事実から、主部と述部がLFで姉妹関係にあることが叙述の統語的必要条件とする(Cf. Kuroda 1965)。また、とりたて辞が導入した表現が指示する個体が文脈の中で同定されなければ、叙述として適格な発話にならないことを見る。いわゆる「とりたて」現象が、一定の構造条件の下、叙述としてより一般的に捉えられ、項や格関係で捉えられる名詞句と述語動詞との関係付けが、姉妹関係をも基盤とすることを論じる。

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