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主要部内在型関係節と「の」の参照点機能

尾谷 昌則(富山大大学院)

本発表では日本語の主要部内在型関係節について分析する.この構文は「テーブルに林檎が置いてあったのを食べた」というような構文であり,「食べる」の目的語は NP の「リソゴ」であるはずなのが,「を」格でマークされているのは「リソゴ」を含めた CP であるというように,目的語に関して不一致が存在する.

本発表では,生成文法理論による pro 分析の不備を3点指摘し,以下の3点を主張する.第一に,「二重ヲ格制約」に照らして考えると CP が目的語である.第二に,目的語と「を」格に関して感じられる不一致は「の」の参照点機能によって動機付けられており,同じ補文化辞でも「こと」が使えないのは参照点機能の有無によるものである.第三に,二重主格構文も参照点構造を有しており,両構文ともその根底が人間の参照点能力によって動機付けられているという平行性が存在することを指摘する.

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