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主格助詞「が」の鼻濁音化の条件

日野 資成(ハワイ大大学院)

本発表では,被験者を一人の牧師(69才,福島県出身)にしぼり,彼の三つのスピーチ(ラジオ伝道,教会での説教,ラジオトーク番組)に現れる,主格助詞「が」の分布([ga] と [ŋa])の統計をもとに,鼻濁音化の条件をさぐる.

音声学的には,鼻音のあとで起りやすい.これは進行同化である.また,「が」が低アクセントにある時,低アクセントに続く時に起りやすい.

社会学的には,フォーマルな情況で起りやすい.これは,[ŋa] が [ga] よりも社会的規範性が高いからではないか.

統語論的には,従属節で起りやすい,つまり,主語が強調されない時に起りやすい. 「フォーマル→強調が少ない」という図式は,フォーマルなスピーチは単調になりやすく,単調なスピーチでは強調が少なくなる,というように説明できよう.

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