日本語/English
日本言語学会について
入会・各種手続き等
学会誌『言語研究』
研究大会について
学会の諸活動
その他関連情報

タイ語の虚構移動結果表現(出現経路)と潜在的虚構移動表現(範囲占有経路)の機能と意味的制約

高橋 清子(チュラロンコン大大学院)

タイ語の虚構移動結果表現(道は体を長く伸ばして森林地帯に潜り込んでいる,王宮の前面は街の中心部に向いている),潜在的虚構移動表現(道はタナオシー山脈を越えてビルマ領に入る,国道新線はヨー島を走り技ける)は厳密な意味で空間表現であり,前者の機能は物体一般の形態の全体像を描写すること,後者の機能は通行可能な経路の形態を詳述することである.前者の意味的制約は移動の具体的な結果が必ず表現されなければならないこと,後者の意味的制約は経路の具体的な特性が必ず表現されなければならず,経路の特性描写に関与しない様態の特性は表現されないことである.タイ語で物体の形状を描写するときに虚構移動結果表現が多様される要因として,タイ語移助動詞の語彙化パタンの特徴とアスペクト的多義性(語彙的要因),連結動詞構文(統語的要因),および具体的な移動が想定されること(語用論的要因)が挙げられる.

プリンタ用画面

このページの先頭へ