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『捷解新語』原刊本の並書
―コリャードの『懺悔録』との対照―

中山 めぐみ(麗澤大)

『捷解新語』原刊本のハングル音注に用いられている並書表記は,日本語の促音に当てられているだけでなく,語中の清音にも用いられている.しかも4モーラ語については,和語は3モーラ目に漢語は4モーラ目に集中している.この表記は当時の日本語のアクセントと関連してはいないだろうか.

コリャード『懺悔録』のアクセント記号と対照させてみると,4モーラ和語においてはアクセント記号も3モーラ目に集中していたが,4モーラ漢語では4モーラ目に記号のある例は見つからなかった.漢語で並書が多用される4モーラ目の音節は入声 t が開音節化したものが大半であるから,あるいは開音節化を示すためにその音節が強調されて並書が用いられた可能性も考えられる.

並書は,アクセント等の韻律的特徴によってテンス性の強まった音節を当時の朝鮮人が濃音として聞き取り表記しようとした表音表記ではないかと考える.

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