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ヒンディー語とムラブリ語の属格所有表現

今村 泰也,坂本 比奈子

ヒンディー語とムラブリ語には「X(所有者)のY(所有物)がある」という属格型の所有表現があり,他の型と併用されている。ヒンディー語の場合,属格型は不分離所有に用いられる。属格所有は存在文にも解釈でき両義的であるが,本発表では,①典型的な属格所有ではXとYの一致関係がなくなり,Xが主題化している,②属格所有ではYが数量詞や修飾語句を伴うことが多く,それが存在文/所有文の識別に重要な役割を果たしていることを主張する。一方,ムラブリ語には属格所有と他動詞所有文があるが,分離/不分離は関係しないようで明確な使用基準がない。属格所有と他の所有が併用される場合,属格所有が不分離所有に使われるという類型論的知見に反するため,さらなる研究が必要である。
先行研究は各言語の主要な表現形式のみを取り上げており,併用に関する言及は少ない。今後,多くの言語で併用のパターンとその使用基準を明らかにすることが重要である。

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