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埋め込み構造の処理への右尾状核頭の関与
―fMRIを用いた研究―

太田 真理,福井 直樹,酒井 邦嘉

本研究では,日本語の統語構造に基づいて主語と述語の対応を判断する課題を用いて,自然言語における階層構造,なかでも入れ子型埋め込み構造の処理に対して選択的に活動が増大する脳部位をfMRIを用いて調べた。
「太郎の兄が走り回った」のように階層構造を持つ単文条件,「太郎が歌って花子が踊った」のように複数の主語と述語が並列する連文条件,「太郎が花子が歌うと思った」のように入れ子型埋め込み構造を持つ埋め込み文条件の3条件の文法課題と,同じ単語が出たかどうかを判断する記憶課題について,それぞれに対する脳活動を解析したところ,文法課題ではすべての条件において右尾状核頭で有意なBOLD信号値の増大が見られ,また埋め込み文条件の信号値は他の条件より,有意に大きかった。以上の結果より,右尾状核頭は自然言語における階層構造の処理に関与しており,特に入れ子型埋め込み構造の処理の負荷を反映すると考えられる。

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