A Minimalist Perspective on Focus Sensitive Operators and Its Theoretical Implications

三好暢博(旭川医科大学)
星浩司(慶應義塾大学)

本稿は、近年の極小主義で仮定されている非対称的な素性認可の方法から、3つのタイプの依存関係が原理的に予測されると論じ、英語、独語、日本語の比較を行うことで、焦点化の演算子の分布が3つのタイプの依存関係を立証するという新見解を提示する。その上で、この見解の理論的含意を明らかにする。具体的には、以下2点を指摘する。(1) 焦点化の演算子に課されるc 統御の要請が、姉妹関係にある構成素に解釈規則を局所的に適用するという意味計算の特性に還元できるなら、統語的関係としてc 統御を仮定する必要は無い。(2)単一のフェイズ内での計算では厳密循環の効果が消失する場合があり、Chomsky(2005)のフェイズに関する見解を支持すると考えられる。