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ハンガリー語におけるtelicityとその形式

江口 清子 (神戸大学大学院 文化学研究科)

 ハンガリー語において移動の事象を表現する際、単一節内で同種の経路概念が複数の形式によって表わされる場合がある。

(1) Mari      be-futott    az    irodá-ba.           「マリはオフィスに駆け込んだ。」
   Mary.NOM    IN-ran     THE   office-ILL 

 これらの形式は、次のように、それぞれ単独でも起こりうるため、両者には何らかの機能の違いがあると考えられる。

(2) a. Mari       be-futott.                       「マリは駆け込んだ。」
     Mary.NOM     IN-ran    

   b. Mari        az     irodá-ba   futott.         「マリはオフィスへ走った。」
     Mary.NOM     THE    office-ILL   ran    

 そこで本発表では、事象の終結性 (telicity) と事象の限界性 (boundedness) とを区別すべきであるとし、ハンガリー語において、動詞接頭辞は事象の終結性 (telicity) に、名詞句と関わる経路要素は事象の限界性 (boundedness) に関連する要素であることを示す。

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